emojiは、日本から始まり世界でも使われるようになった、現代のチャット的なコミュニケーションにおいてスゴイ発明と思います。またこのお手軽でかつ非言語でユニバーサルな「感情」の表現手段が、最近よく用いられている携帯電話での手軽なメッセージングや、チャットにおいてもとても親和性が高く、Facebookの「いいね」を始めとして、すごい勢いで受け入れられたのだと思います。

メッセージングにおける時系列順序の課題

ちょっと話が変わりますが、最近ビジネス向けのチャットツールとしては一番メジャーになったSlackは(1 vs 1 のメッセンジャーではなく)グループで使うことを前提としたチャットツールです。チャットだけに限らずメールもですが、時間軸でメッセージを並べていくのが基本的なUIになりますが、実は「グループ」で、「メッセージ単位が細かく」、かつ「非同期の」コミュニケーションとなると、この時間軸の表現が課題になります。(と、書いているうちに、わかりました)

大きな課題にならないケース

似たケースはいくつかありますが、よくよく考えるとはやりこの課題は「グループチャット」で固有、もしくは極端な課題だとわかりました。例えば、Facebookの投稿記事に対してのコメント。これは記事間に順序性はそれほど重要でもなく、また、記事に対するコメントもずらっとタテにつながるというよりは並列に大量のコメントがはいり、コメント間の依存関係はせいぜい2,3です。Twitterは非同期でメッセージ単位も細かいですが、多くは1方向で「グループ」ではないでしょう。

電子メールでの場合

おそらく電子メールでも「Thread」機能を使ってやり取りするメールをつなげて表示したり、もしくは過去のやり取りをそのまま引用するということがあると思いますが、つまり、それは時間軸が1本道だということです。しばらく前のやりとりに返信したいのだが、、、という場合には、メールでは該当の箇所を「引用」という形で明示した上で、そこに対して文章を書く、ということをやっていました。

グループチャットの場合

この課題がグループチャットではより顕著になりました。そんなに煩雑な手続きは取りたくない、もしくは取れない。チャットの場合、細かいメッセージングを沢山やりとりするのが基本的なUXなので、さらに問題は顕著になります。ずーっと過去に流れてしまった、メッセージに反応する適当な術がなかったのです。

そんな課題を解決するためのにSlackが開発したのが「emoji reaction」だと思います。

Emoji reactions

https://get.slack.help/hc/en-us/articles/206870317-Emoji-reactions

slack

流れてしまった過去の任意のやりとりに対して「emoji」でリアクションを加えることができます。基本的には「いいね」的なポジティブな反応が使われることが多いと思います。そしてその反応はNotificationの機能を通じてメンバーに伝わります。そんな細かな反応必要なの?と思うかもしれませんが、チャットにとってはこの細かな反応が、グループ内のメンバーのエンゲージメントの観点で非常に重要だと私は思います(Slackもそう思ったはず)。

やっぱり、あの勢いでみんなが使うようになったツールって、やっぱりすごいなーって思います。考察しながら、さらに感心してまいました〜

追記 Facebook Messenger / LINE の場合

ここ記事を書くなかで、Facebook MessengerのUIも確認してみました。このUIを見て、最後の発言にしかReactionできない?!筋が悪い、というかマネだけして本質的なところ何も分かってない!と思ってしまいました。

fb

が、実はメッセージ長押しでReactionを入れることが今回、初めて気づきました。またブラウザでは別のUIになっており、過去のメッセージについてもReactionを入れるアイコンが表示されていました。他社を真似して入れたが、UXにうまく染み込むところまではいっていないと感じました。

fb2

また、LINEにはReactionの機能はないようでした。LINEは他と比べてもより「同期性」の高いチャットのツールなので、議論の末むしろいらないという判断、もあるなと思いました。