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酒とライブな日々(?)って感じの日記でしょうか。

アフターデジタル2 Ideation by Data の価値と何が自分でできるかを妄想しました

アフターデジタル2 では前書で示した世界観を「UXインテリジェンス」として再定義し、そのような体験の設計・運用に必要なマインドセット(精神)とケイパビリティに対して整理されていました。その中でも、データとAIを活用した、人とテクノロジーの共創 Ideation by Dataという考え方が示されており、特にその点は共感できました。テクノロジーが発展するなか、人の役割とテクノロジーの役割を常に問いながら、いかに新たな技術を開発したり、取り入れたりしていけるかが今の世の中の醍醐味なのではないかと思います。

アフターデジタル2 UXと自由
藤井 保文
日経BP
2020-07-23

特に印象的だったところを、引用交えてメモしてました。

ミッションと提供価値

価値提供の方法が、従来型バリューチェーン、から、バリュージャーニー型へ変化する。すなわち、提供する体験の世界観や、体験への寄り添いが大切になる

企業が提供する体験価値を規定するのが、ミッション。UXはミッションによってユニークになる。例えば、同じデジタル決済アプリでも、アリババは「デジタルによって商取引を円滑にし、中小企業を支援する」のに対して、テンセントは、「すべてをコミュニケーション化する」ための手段。結果として、サービスの有り様は変わり、アリババ(AliPay)では、極力送金と受け取りの手間とコストを排除するが、テンセント(WeChatPay)では受け取るを明示的に行う。お金を送る、という行為をコミュニケーションのきっかけ・手段の一つとしている。

決済プラットフォーマは特にサービサーの特徴がなくなるため特にミッションに規定されたUXが差異化の視点で重要にになるが、これは他のサービスでも同じ。「プラットフォーム」を作るんだ、という言葉ができた時には、特にこのミッションの重要さを再認識すべきと感じました。機能の有無、マルバツで競争すると負けるところも、何のためにやっているのかの軸があることで、逆に機能のバツを他から補完するといった発想が容易になると想像します。

顧客との接点を増やす設計

コアのビジネスの種類によっては、顧客との接点を持つことが難しいケースもある。例えば車の販売。接点を持てる価値をどう提供するかを徹底的に考える。その結果、「モノを売らないメーカー」も出てきた。例えば、自動車メーカーのNIOや、電動バイクメーカーのNIU、若者向け賃貸サービスZiRoom。ただし接点を無闇に増やそうとしても体験価値は提供できない。あくまでコア価値を捉えた、それを拡張するモノである必要がある。

顧客接点の起点が、検索から変わり、コマースは偏在化する

商品販売型から体験提供型になることで、商品の購買はサービスのジャーニーに埋め込まれていくことになる。Instgramからの商品購入導線が人気だったり、また、今後に向けてMetaVerseといった「新体験」が注目されているのもこういう理由でしょう。コマースが偏在化する状態と言える。その時購入の判断基準は体験の世界観、そこで見つかった、ということが重要であり、従来の「検索と比較検討」から変わり、また体験自体もスマホでのインターネットの利用がリアルの生活の中に溶け込むので、リアルとデジタルの垣根のない購買体験になる。

検索に関しては、googleやkakaku.comの危機かもしれません。kakaku.comが次にどんな手を考えているのか気になるところです。また、リアルとデジタルの垣根がなくなり、体験提供者の世界観の中で、商品を選ぶ、となると、これは世界観に誘導されたユーザーの意思が反映されづらい状況になりうる危険性にも感じました。

ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチ

どのタッチを使って、カスタマサクセスに導くか。そして学ぶべきは、「接点をつなぐループ」。デジタルとリアルの接点におけるそれぞれの強みと弱みを使って、相互に行き来できるようなUXを作っていくことで、各接点がジャーニーとしてつながっていく

点と点を繋いで、線=ジャーニーにする。Steve Jobsの Connecting The Dots のようですね。

「データは財産」という幻想

データはソリューションにしないとお金にならない、それをどうやって使うか、価値が出せるか、その解釈とセットでないと意味を持たない。

逆の視点でデータ分析技術も同じかもしれません。分析技術だけあっても、データがなければ価値にはなりません。データとセットになって初めて価値になる。もしデータを収集取得するところに課題があるなら、データを集める部分も含めてソリューションにして提供する必要がある。活用できるようなデータを集めたり、整理する部分が課題ならそこもお金になる。

そんな意外とお金にならないデータだが、今ありそうなのは次の3パターンくらい、とあります。

  • マーケティング・広告に活用する
  • 金融に活用する:いわゆる融資の与信
  • インフラに活用する:交通や医療の効率向上

現在、機械学習の発展でクリエイティブ・創作へのデータの活用が注目されていますが、まだまだお金になるパターンにはなっていないようです。データを活用する、活用できる形のソリューションにすることが、今はまだできていない、ということなのでしょう。

個社で持つデータにこそ意味がある

一方、そんな中データの活用方法としてフォーカスすべき方向性についても示唆があります。それは、自社の持つ行動データです。これを

  • ユーザーの体験向上
  • ビジネスプロセスの効率向上
  • 双方を助ける付加価値:新たな体験提供

といったUX活用せよとあります。

つまり、データは、データのまま売れるものではなく、ソリューションに仕立てその価値で売るか、もしくは、自社のサービスの顧客体験価値向上のために使えとのことですね。まさにDXの本質なのではないかと思いました。

UXインテリジェンスとケイパビリティ

ここまでの流れをUXインテリジェンスという言葉をつけてまとめて整理されていました。私も人間中心設計やそこでのデータ活用、定量・定性分析について関心があり、その点でとても腹落ちするものでした。前述のように、提供価値がモノから体験(ジャーニーの中での接点)になる、資産がモノからサービスになる、なかで、UXを作る部分にデータを活用する、投資をするという構造になると言います。「ユーザー中心の資本主義アップデート」と。

(ただ、この図表4−6の、サービスとUXが別のモノ、サービスは有形で、UXは無形、と整理されている部分については、違和感がありました)

その後の整理は、人間中心設計やUX・サービスデザインの考え方そのものです。そこで必要なケイパビリティとして、このように整理されていました。

  • ユーザーの置かれた状況を理解する
  • ビジネス構築のためのUX企画力
    • 企業の系譜と環境の変化
    • ペインポイントのゲインポイント化:便利性と意味性を理解した上でのUX設計
    • コア体験・高頻度接点・成長シナリオ
      • 初回体験にこだわりコア価値を提供することができるか。さらにそのコア体験に隣接した領域で高頻度接点を作ることができるか
    • 自動化する体験の設計=ジャーニーボードを回す仕組み
      • ここは製品・サービスに成長の仕組みを埋め込むという視点で、例えば、
        • パーソナライズされたレコメンド提示
        • 顧客の状態やレベルの評価
        • アンケートの発信
      • が具体的に挙げられていました
  • グロースチーム運用のためのUX企画力
    • 人とテクノロジーの共創、Ideation by Data
      • 人の役割は、
        • ユーザーの状況理解を基に、今までにないモノ(体験)を追加すること
      • 一方、テクノロジーの役割は、
        • ユーザー行動パターンや状況分類の整理・提案
        • 仮説や施策結果のチェック
      • ここで注意が必要なのは、データを活用した共感の技術。しっかりとひとが状況を理解した上で、UX施策を打つこと。状況理解なしの自動化された施策は、ただのKPIハックになりかねない、という警告もありました

上記に加えて、最終章では日本の企業に向けた処方箋的メッセージで締められていました。

前書 アフターデジタルと合わせて、示唆に富むと同時に、データ分析技術をUXデザインに活用するという点で課題感を共感でき、とても良いインプットとなりました。

なお、ちょうど今月、続編が2冊同時に発売されたようです。要チェック。



iPad + Macでミー文字収録して、Davinci Resolveで講義的ビデオを編集

会社で講義的なビデオを作るチャンスがありました。最近は社内でもe-learning的にビデオを使った研修の仕組みが整備されてきており、一度私もチャレンジしてみたかったのです!

PowerPointでも標準でスライド収録機能などあり、スライド+カメラでビデオ撮影などもできるようなのですが、顔出しもちょっと恥ずかしかったので、今回 ミー文字 なる機能を使って見ようと、「iPad + Macでミー文字収録」に挑戦してみました。

使った機材/ソフト

世の中いい時代になりました。ソフトウェアは追加投資なしでサクサクでした。

  • iPad Pro(FaceIDに対応している必要があります)
  • Mac Book Pro
  • USB-Cケーブル(MacとiPad接続用)
  • USB外付けマイク
  • QuickTime (Macプリイン)
  • Davinci Resolve 17 (無償で使えます)

手順

いろいろ試行錯誤は有りましたが、手順はこんな形でまとまりました。

1. パワポのスライドの台本をしっかり書く。これすごく大事でした。動画を撮ってから見返したりもしてみたのですが、言葉が詰まったり、いい損じているのは台本を省略しているページばかりでした。台本書くのに、時間がかかるような気もしますが、これは大事。加えて、台本を書いて、いざ、発生をしてみるといいづらかったり、またおかしいことに気づいたりして、台本をアップデートしたくなります。台本がないとこの作業も大変だったと思います。

2. 台本に従って、iPadでメッセージアプリを起動した上で、カメラを使ってミー文字を適用プレビューをしながら、QuickTimeのMovie Recordingで、入力をiPadにして録画します。MacとiPadは有線のUSBケーブルでつないでいると、QuickTimeのカメラとしてiPad画面が選べるようになります。カメラ画像を録画するのではなく、iPadの画面を録画することになるので余計なボタンなど記録されますが、そこは編集で捨てることができます。最近は動画再生側で 1.5倍速 など スピード調整できますので、録画時の喋りは落ち着いて台本を見ながら「しっかり」「ゆっくり」しゃべると良さそうです。

3. このとき音声は普段テレカンで使っているMacのマイクを選びました。これでスライド以外の部分の動画(ミー文字動画と音声)が、Macに録画できます。動画の記録も、はじめは全体を1本で撮っていたのですが、スライド単位など、適宜細かめにばらばらに撮るのが良かったです。その後の編集も楽ですし、確認後、撮り直して差し替えるような場合もやりやすいです。

4. PowerPointのスライドを書き出して動画編集の素材にします。基本はpngで書き出し。これで静止画としてスライドを表示できます。また、PowerPointのスライドショーにアニメーションが設定されている場合は、併せて、mp4で書き出しておきます。mp4での書き出しでは、スライド番号指定ができず、全スライドをまとめて書き出す必要がありました。ただ1本にmp4でもDavinci上で編集できるのでOKです。

5. そして、素材が揃ったら、Davici Resolveで編集。ここはいろいろあると思いますが、、今回ポイントとなるところをいくつか後述します。

6. そして最後は書き出して確認。おかしいところなどを編集に戻ってやりなおし、場合によっては動画をリテイク、を繰り返す。です。リテイク・リテイク!レビューの際にも再生スピード増し、が役立ちました。

Davinci動画編集の際のTips

  • まず基礎を学ぶこと。Davinci Resolve 17を、初めて使う方は、まず基本を学ぶために、この動画をさっと目を通しておくと良いと思います。はじめは適宜やりたいことに応じて、GoogleやYoutube検索などでやり方を探してイたのですが、そもそも言葉がわからなかったり、例えば古いバージョンの情報も含めて、大量のコンテンツが見つかったりと、色々効率が良くないです。今回、私はある程度編集終わってから、この動画を見たのですが、はじめに基礎を学んで置くべきだった!と思いました。

  • PowerPointのアニメーションつき動画はアニメーション(トランジション)以外の部分は不要になるので、アニーメーションの前や後の止めの画を、Freeze Frameにして喋りに併せて配置すると良い。やり方はこのビデオが参考になります。1フレームをBladeツールで分離(Ctrl-b)して、Change Frams SpeedのメニューからFreeze Frameに設定、自由に長さを変えることができます。png書き出しでなくすべてこれでやることもできるとは思いますが、スライド別れている方がわかりやすい場合もありそうです。この動画が参考になります。
  • そして今回一番ヤバっとなったのは、「ミー文字の動きと喋りの音声がずれていた」こと。映像はiPadのカメラからミー文字エフェクトかけていたり、音声はMacから直接マイクで収録していたりといったあたりが原因なのでしょうか? 不思議なことにQuicktimeで録画した .mov ファイルではずれているような気がしないのですが、Davinciで編集する際に、普通に気がつくくらいに、豪快にずれていました。対応方法としては、Davinciの編集Timelineの中で、オーディオを数フレーム後ろにずらすという方法、今回は目合わせで22フレーム後ろにずらすことにしました。接続状況等に応じていいフレーム数は違うかもしれません。また、フレームをずらす方法も、オーディオビデオのリンクをUnlinkしてずらす方法と、オーディオビデオのリンクはしたまま、Timelineビューのリンクマークを解除してずらす方法があるのですが、後者の方がずれていることが明示的に分かってよかったかなと思います。

仕上がりイメージ

一連の編集作業を動画にしました。一度わかると早いもんですね 笑

こんな感じでスライド+ミー文字で、表情のわかる講義動画にしてみました。

全体を通して、

最後、今回こういった形で講習ビデオを作ってみての感想は、

  • ミー文字でやってみてよかったかなと思ったのは、編集時自分の顔を見ながら編集するのはやや恥ずかしい気がしますが、ミー文字だと気にならない
  • 案外、ミー文字でも表情がわかっていい!声だけより大分いい気がする
  • 自分だけとは思いますが、ミー文字は首の下の服装や、背景は自宅で、リアルなので、完全なVirtualより、「自分感」がある(気がする)

といった感じで、、ミー文字は、すごくいい感じでした。そしてDavinci Resolve 17すばらしいな。非常に生産性の高いビデオ編集ソフトでした!そして、チュートリアルビデオを配信してくれている方にも感謝です。ビデオ編集チュートリアルとYoutubeはとても相性が良いですね。

また、改めて、台本を書いてみて、より「講義」っぽく、一段完成度があがった気がします。スライドと併せて動画でいつでもみてもらえることで、(自分は何もせずとも!)受講してくれる方が増えたらうれしいなっと思います。

(その後追記: ミー文字利用の著作権等について)

iOS14のソフトウェア利用許諾を確認したところ、

(f) Subject to the terms and conditions of this License, you may use the Memoji characters included in or created with the Apple Software (“System Characters”) (i) while running the Apple Software and (ii) to create your own original content and projects for your personal, non-commercial use. No other use of the System Characters is permitted by this License, including but not limited to the use, reproduction, display, performance, recording, publishing or redistribution of any of the System Characters in a profit, non-profit, public sharing or commercial context.

とあり、、基本的には「お客様の個人的かつ非商業的な使用のために独自のコンテンツおよびプロジェクトを作成するために使用することができます。」ということで、会社内で使うには適切ではなさそうと分かり、、個人的利用の範囲にとどめ、もともとやりたかった社内での研修資料での利用に向けては、お蔵入りさせていただきました。みなさまご利用の際にはお気をつけくださいませ。

Touch ID 付き、外付け Keyboard を 買いました

新iMacの発表以来待ち望まれていた、新Magic Keyboardがやっと別売り開始されました。何がよいかというと、Touch ID(指紋センサー)がついていること。Macbook単体での利用が多い場合には気にならなかったのですが、自宅勤務などで クラムシェル+外付けディスプレイ での利用が増えた際、このTouch IDが使えないのが、、、何とももったいなかったのですー(Touch IDが無かった時は気にもならなかったのにね〜)


パッケージはまるでちょっと高級なお菓子のよう。紙のパッケージにピッタリと収まっていてる。整然と並んだキートップが、白いチョコレートの個包装のよう。そして、キーボード自体を見たときの第一印象は、「白い!!」 目に染みる。経年変化や汚れが目立たないかちょっと不安だが、、まぁ、1.5万なので消耗品と割り切っていいでしょう..

Keyboardの大きさは、想像通りAnkerと比較してもとてもコンパクトで素晴らしい。さらにキー自体も薄い。これはこれで、懐かしくいい感じ。キー幅・配置はAnkeyと同じなので全く違和感なく使える。(AnkerがApple準拠なのですが...)さらに、この記事なんかも書いて見つつ気づいたのは、このKeyboardにはFnに加えて、Globeキーがあるのか、これで日本語入力切り替えというのもありかもしれない。

あとは机の上で、Magic Trackpadと併せて、高さや配置といった、物理的なコンディションを整えれればOK。タイピングのモチベーションがぐっと上がったので早速、ブログ記事にしてみました。

メインから控えになったAnkerのコンパクトKeyboardは、iPad Pro用で運用しようと思います。


iPad Proは自宅のスチールボードを情報端末に変えた

iPad Pro 12.9インチを買いました!

購入のきっかけは

  • iPad + Apple Pencil の手書きノートが、実用的にも良さそう
  • 最近、論文(pdf)を読む機会が増えたので、論文を読みながらメモしたりして集中して読めるのでは?という期待
  • 自宅仕事が増えて買った本が本棚に収まらなくなってきており、今後は電子書籍にもチャレンジしたい。やはり読むにはタブレット端末が欲しい

といったあたりでして、ここらあたりの使い勝手の発見などあれば、このBlogでも紹介していきたいと思います。

早速、1つ目のネタは、iPad+tacx。上記なネタとまったく違ってすいません。笑

2019年に購入し、実は、あまり活用していなかったtacxですが、COVID-19の折、最近では、自宅での運動に大活躍しています。2021年になってからは、毎朝「バーチャル通勤」ということで10-15minほどtacxで汗をかいています。tacx のアプリには バーチャル/GPSコースに併せて負荷を変えるようなモードもあるので、その日の気分に併せて、4km-10kmくらいのコースを選んで走っています。本当に汗ダクになります笑

で、毎日、バーチャル通勤しているとその時間も有効に過ごしたくなりますよね。例えば、普通の通勤と同様にpodcastやYouTubeの視聴。ちょっとしたお勉強動画なんかもここで自転車に乗りながら見ることができます。

で、iPad買ったので大きな画面で楽しみたい! ですよね。でも、iPad重た過ぎて、いままで使っていたスマホスタンドにはうまく支えられない。そこでiPad用スタンドみたいなものも探していたのですが、案外場所を取りそうだったり、かっこいいのがなかったりと、、悩んでいたのです。


が、ふと、すばらしいことを発見しました。最近のiPad Proにはアクセサリーのキーボードなどを固定するために背面に磁石が入っているようです。このおかげで、iPadはスチールボードに貼り付くのです! これは私にとっては「カミワザ」でした。

ちょうど、まるでおあつらえ向けに、tacxの正面にあったスチールボードがあり、ここにぴったっとiPadが貼り付いたのです!! ✌️

画面も大きいので tacx アプリで景色を楽しみつつ、YouTubeを見るなんてこともできています。

私の場合、前述したとおり、動画視聴というより音声視聴がメインなので、問題はありませんが、一つ不満というか、改善要望があります。それは、tacxアプリが「画面スプリット(Split View)」に対応していないこと。このため、YouTubeを画面を分割で見ることができずSlide Overさせることしかできません。そのため、tacxアプリと同時に、YouTubeの画面を比較的小さくにしか出せないのです。それでもiPad Pro 12.9インチは画面も大きいのでスマホで見ている画像サイズと対して変わらないかもしれませんが 笑

そんなこんなで iPad と スチールボードが、非常にスマートに自宅の壁を情報端末に変えることができました。


アフターデジタル を読んで、行動データとUXデザインで作る顧客体験価値を想像しました

比較的、軽い感じでサクサクと読むことができました。ちょうど業務で数年先の中期ビジョンを描こうなんてことを考えていたタイミングだったのもあり、改めて、自分がずっと興味を持っている、データx UXについて考えるチャンスになり、また具体的な刺激やアウトプットイメージを持つことができました。


以下、引用っぽくなってしまいますが、本書の構成に従って自分なりにポイントを箇条書きで挙げました。最後はBeBitさんの「モーメント分析」の紹介っぽくなってましたが、一方で、行動データ(というよりログ)から、いかに価値のある、顧客のモーメントを引き出せるか、非常に本質的な課題だと、本書の文脈の中で再認識させていただきました。

デジタル化する世界の本質

  • オンラインの行動だけでなく、オフラインの行動もデジタルデータ化が進む
  • よって、ユーザー体験と行動データのループを回す時代へ
  • ユーザー体験を提供しているからこそ、行動データが集まり、それを活用することで体験を改善できる

アフターデジタル時代のOMO(Online Merges with Offline)型ビジネス

  • 顧客接点の構造・分類=ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチの「円錐」
    • ハイタッチ:一人ひとりの個別対応では、特定の人に対応できるからこその感動や、信頼を得られるような徹底した対応
    • ロータッチ:ワークショップやイベントなどの「場」では、リアルだからこその心地よさや得難い密度の情報
    • テックタッチ:オンラインでは、プロセスが短くて便利で、さらに高頻度で使うと得をするインセンティブ設計
  • OMOを加速させる背景・要因としては、
    •  決済のデジタル化
    • 顧客接点となるモバイルアプリ
    •  安価なIoT、センサーデバイスの普及・偏在
    • 自動化されたロボット、人工知能の普及
  • 高頻度データでUXとプロダクトを高速改善する
    • ここで大事なのは「とにかくユーザー起点の思考法」
    • ユーザーを中心とした接点がつながることで、各接点中心から、顧客中心に施策できる
  • 具体的な事例はとてもわかりやすい
    • 中国平安保険/平安グッドドクター
    •  アリババ フーマー など
  • ありがちな思考の悪例
    • 効率とテクノロジー中心の無人化
    • オンラインを活用する、という逆OMO
    • プロダクトを中心に捉える
  • アリババUED大学の考える「UXの5段階」

アフターデジタル事例による思考実験

  • OMO・アフターデジタルでデータが偏在したところで、データ、プライバシー、データポータビリティの議論
  • リアルに残る「場所」と「人」の意味は?
    • 「レアな接点」としての場の価値( ここはD2Cでも議論がありました
    • 「人間的な個別対応」
    • それを支えるデジタルツールによる「自動化・最適化」、と「個人化」
    • データ化でフラットにおもてなし可能になった先の、差異化としてのIPやコミュニティづくり
    • おもてなしは、1回限りの「接客」ではなく、継続的なつながりであることに注意

アフターデジタルを見据えた日本式ビジネス変革

  • 高頻度接点による行動データとエクスペリエンス品質のループを回すこと
    • どうやって高頻度の接点を作っていくか・作り込んでいくか、がポイント
    • ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチを使い分け、設計する
    • サブスクリプションサービスの本質は月額課金、ではない、LTV型のビジネスにして、顧客IDとそのリアルタイムの行動を把握できる、サービス
    • 顧客のトランザクションと企業の収益がリンクできるとさらに良い(ある意味で広告モデルはそれになっている=利用が増えるほど=接点が多いほど=収益も上がる)
  • ターゲットだけでなく、最適なタイミングで、最適なコンテンツを、最適なコミュニケーション形態で提供すること
    • 行動データに基づいた「顧客理解」と「即時性」の重要性
    • 通信ではなく、サービスが「常時接続」になる
  • これらを実行するための、企業に求められる変革
    • 顧客がどのような状態になっているか、会社全体でイメージを共有するビジョン
    • ジョブ理論と状況志向
    • バリューチェーンから、バリュージャーニーへ
      • どうやってずっと顧客に寄り添うかが大切で、製品もただの接点の一つとして捉えるべき
      • UXグロースハックとUXイノベーション
      •  行動データを使ってUX改善する、エンジニア、UXデザイナー、データサイエンティストからなる、グロースハックチーム

最後は、BeBitさんらしく、UXデザイン的な締めになっていました。まさにこの領域をチャンスと狙っているんでしょうね。

ネットワーク型組織構造における、報告の仕組みは?

しばらく前に、組織における情報伝達の構造 について書きました。

情報伝達の構造には、階層型とフラット型があり、それらを目的に合わせてハイブリッドに運用したいよね、という話だったのですが、これと関連して、上司(情報を受け取る側)の目線でも気づきがあったので補足したいと思います。

最近、気づいた、課題は、

「フラット型で起きていることを、階層側の上の人間が察知しづらい」

ということです。結果として、上司からすると階層型構造での部下から報告が上がってこないことがあり「聞いてない」となってしまうことがあるのです。

階層型構造での情報伝達では、階層の上から下へ必要な情報が 選択/蒸留/加工 されて下に効率的に流れますが、下から上への情報についても同様のことが行われます。部下は必要な情報を選別し、上司に報連相という形でインプットすることになります。様々な活動に対して、必要に応じた報告が、下から上がってくる(pushされる)形になります。

そんな中で、ハイブリッドにフラット型で行われている活動については、そのままでは特定の階層の上の人には上がってきません。上司がその情報を「リアルタイムに」受け取りたい場合には、自分が取りにいく(pullする)か、もしくは、明示的に上げてもらうよう意識づける必要があるのです。加えてそのような時間や場を作る必要もあるでしょう。(もちろん「しばらく後」には、結果報告として上がってくるでしょう)

ただし、ネットワーク型では広く/様々な活動が並行して行われているため、すべてをPullしていたら時間が足りません。しかし、人は自分の知らないことが起きていると不安になります。そこで、「効率的に、そして選択的にPullする仕組み」が必要になるのではないでしょうか?

これは、情報システムからのレコメンド的なPushと、ユーザーによる任意のトピックのSubscribeのような仕組みの組み合わせで実現可能だと考えています。

情報を受け取る側のための情報技術も、それを使いこなす人の技術(リテラシ)も、これから発展していくと思います。

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